本工法の利点

本工法の利点

1.構造性
●地盤をほとんど乱さずに施工できるので、地盤本来の強度を最大限に活用することができます。
●鋼管杭と比べ、鉛直方向の耐力は増大します。水平耐力では劣ることがありますが、スパイラル杭の上部を鋼管とすることにより同程度まで向上させることができます。

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セメント(灰)と石膏(白)を交互に重ねた模擬地盤にスパイラルをねじ込み、杭体を中心に分割した様子です。
接触面付近(赤枠)でわずかなせん断破壊が生じてますが、ほとんど地盤を乱していない状態を確認することができます。 
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coil 実際の地盤にスパイラル杭を打設し、引抜試験を行った様子です。
スパイラルは土に絡みつき、見かけ上は円筒状に引き抜かれています。
基礎部が降伏するときは地盤が破壊されるときであるため、スパイラル杭は自然地盤が本来持つ耐力を最大限に生すことができます。
このような点から、軟弱地盤での効果も絶大なものとなり、また、地質を著しく傷めることもない環境にやさしい基礎であると言うことができます。
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2.施工性
●スパイラル杭の打設工法は、油圧オーガーで回転させながらねじ込む工法であるため、無振動で騒音もほとんどありません
●油圧ハンマーと比べ、油圧オーガーが小さいことと、現況地盤を乱さないため近接施工(0.5m程度)が可能です。
●従来の杭施工は大型の杭打ち機が必要でしたが、スパイラル杭はバックホーまたは建柱車での施工が可能であるため、狭い作業スペースでの施工が可能です。
●スパイラル杭の打設時間は、施工箇所の条件で異なるが杭長5mで1本当たり10~15分程度であり、基礎工事の施工時間の短縮に繋がります。

kinsetu
近接施工の実績例です(熊本県山鹿市豊前街道線の街路灯)。
近隣の建物と非常に近い位置での施工が必要な箇所でも、振動や騒音等の苦情は0件、施工時・施工後共に事故もまったく起こっておりません。
 
 
3.環境への適応性
●施工時に無振動であるため、近接する建築物や構造物に影響を与えません。
●また、重機の運転音のみでほとんど騒音もないため、周囲の生活環境に影響を与えることもありません。
●夜間工事において作業スペースが狭く施工時間が短縮でき、交通規制・渋滞の緩和に寄与します。
●スパイラル杭の引抜撤去が容易にでき、リユース効果を発揮します。
●スパイラル杭(平板の厚×幅×長さの体積分)をねじ込んで施工するため、地盤を乱す割合が少なく、基礎が地質や地層になじみやすくなります。
 

4.経済性
スパイラル杭の打設に多くの時間を要しないため工期の短縮につながり、工事費のトータルコスト削減に寄与することになります。